対談 ”想い”で繋げる地域の輪 第10回 後編
ボンズシップ清水社長の対談企画スタート!
この業界に携わり、ご活躍されている皆様の
“想い”をお届けすることで、関連機関との繋がりや、
より安心して暮らせる地域作りに寄与できれば幸いです。
第10回目は、
医療法人社団オリーブ理事長
清澄ケアクリニック院長 刀禰 智之様
にご協力を頂きました。
2018年1月22日 医療法人社団オリーブ 清澄ケアクリニック設立
その後、医療法人社団オリーブ 清澄ケアクリニック墨田、
オリーブ訪問看護リハビリステーション、
オリーブ居宅介護支援事業所、
可能性支援型デイリハLABOオリーブを設立。
“自宅で自分らしく最後まで生きたい”という希望を叶えるため門戸を開き、
“自分らしく在宅で生活し最後は入院したい”などのすべてのニーズに答える
という理念の下、幅広い支援の提供で地域医療に貢献されています。
対談の様子はこちらのブログで前編/後編に分けてお届けいたします。
※以下、対談内容の黒字は清水社長、青字は刀禰様といたします
先生が大切にしている在宅医療や地域医療に対する価値観を教えてください。
“在宅よりも病院の方が圧倒的に良いことを提供できるなら病院にいた方がいい”
と思う方が多いと思います。
そういった方の選択肢の中に在宅が上がるように、
病院で出来る医療的なことと同じレベルに在宅が達しないといけないなと思っています。
様々な家庭の事情がありますが、どうやったら最期まで
家にいたいという方の希望が叶うか、
場合によっては施設や病院、緩和ケア病棟に行きたい人もいるので、
そういった様々な希望にどれほど応えられるかを大切にしたいです。
それには制度やルールの知識が必要になるし、
持てる手をいっぱい持っておくようにしたいです。
そういった先生のお考えはスタッフの皆さんと共有するようにしているのですか?
そうですね。考え方やルール、保険についての勉強会をやったりしています。
スタッフの皆さんにお伝えしているのは、
誰が訪問して、どんな内容でも同じ点数(保険制度においての金額)なら、
その同じ点数の中でいかにより良いものが提供できるかを考えてほしいという事です。
例えば、自分の親や家族に自分のケアを自信を持って提供できるかと聞いたりします。
もし自分の親や家族に自分自身のケアを提供できないレベルだとすれば私はあってはならないことだと考えています。
患者さんから選択肢の中で自分を選んでもらうためにも、
自信を持って自分は自分にケアを任せたいと思える人になってほしいと思います。
ここだけでなく他の訪看さんやクリニックさんも
同じような想いを持ってやっていらっしゃると思うので
看護だけでなくリハビリの重要性も考えながら、各所と連携していきたいです。
先生の患者さんの希望に寄り添って選択肢をふやしてあげるというお考えが
すごくいいなと感じました。
どうやったら希望に沿えるかを常に考えても失敗することがあります。
患者さんの希望を叶えてあげよう一緒に頑張ろうとするあまり、
ご家族様が疲弊してしまった事例もあります…
もちろん本人の希望を叶えることが大切ですがその中で家族のことも考えて流れを作らなくてはいけないですね。
先生のそういった体験を地域で合同の症例検討会のようなもので
共有できたらいいですね。
色々な方を集めて色々な事例を話し合うみたいな。
いいですね。皆さん集まれば色々な事例があると思います。
医師であり経営者という立場ですが、
経営に関してはどのような想いをお持ちですか?
経営について勉強してきたわけではないので、なにが正解か手探りです(笑)
経営のことかはわからないですが、スタッフの皆さんが
しんどくなってしまったりするのは絶対的に避けたいですね。
でもなかなか難しいです。医学的なところでいうと、収入が2カ月後ですよね。
もしここで大災害が起こって会社がストップしてしまったとしても
スタッフに対して給与などを支払っていける体力は必要だと思っています。
これからは今までよりも患者さんがクリニックを選べる環境に徐々になっていくと思います。
きちんと在宅医療に向き合っているクリニックが選ばれるようになることは、
正しい姿だと思いますし、そういったクリニックと切磋琢磨して
やっていけたらいいですね。お互いに嫌い合う必要はないと思うので。
先生のお話を聞くと働くスタッフの皆さんのことを
よく考えていらっしゃるなと感じました。
もちろん1人でも訪問診療はできますが、
色々な人が評価するメリットや患者さんにあった医師を選べる環境も大事だと思います。
他の医師や薬剤師から新しい知識も入ってきますので。
スタッフさんを大切にされて尊重されているのですね。
我々もスタッフから学ぶことがたくさんありますよね。
はい、日々学びです。
一方で僕の役割って責任をとることだと思ってますので、
スタッフが何かチャレンジしてみて何かあって失敗したとしても責任は取るからね、
好きな事やってみてねと…言える…ようになりたい!!…という思いです(笑)
それはきっと伝わっていると思いますよ!
今後の展望などはなにかございますか?
自分の目に見えない範疇のことをするのがまだまだ難しくて。
墨田に診療所をたてたのですが、あとは中央区くらいですかね。
それで結構手一杯かも。
でも、できれば1個施設は持っていたいかな。
病気じゃないんだけどなにか困りごとがあって入院したい、
でもすぐにできないとか
そういった悩みを解決するために入れてあげられるようなワンクッションを作りたいです。
地域で共有してみんなで見守りながら使えるような施設ができたらいいですね。
あとは僕が例えば明日いなくなっても会社は動き続けられるようにしていたいです。
いずれはトップを譲るくらいの発想でいたい、
誰が引き継いでも100年200年続けられるクリニックにしたいという考えです。
なので法人名にもクリニック名にも自分の名前は入れていません。
今後の展開を楽しみにしております。
最後にスタッフの皆さんへ伝えたい想いなどあれば是非。
なにかあれば必ず上がなんとかするので、
自分の選択1個1個に自信と責任を持ってやってほしいと思います。
例えばいつも伝えている“靴の脱ぎ方1つ”とか。
靴にしても服にしてもドアの閉め方も1個1個大切にしてほしいです。
あとは自分が病気になった時に自分に来てほしいと思えるような医療を提供してほしいなと思います。
プロフェッショナルな気持ちを持って、
あとはやりたいことにチャレンジしてほしいというところですかね。
本日は貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。
【編集後記】
刀禰先生のインタビューはいかがでしたでしょうか。
実際にお会いして刀禰先生のお人柄の良さや患者さんへの想いを感じることができました。
医師になるきっかけとなったご家族のお話では、決して他人ごとではないような気持になり、
家族や大切な人の最期に自分はなにが出来るだろうと改めて考えました。
スタッフの皆さんへの想いもお聞きすることが出来ました。
私も、自分が自分自身に仕事を頼みたくなるようなお仕事ができるよう
1つ1つの行動に責任と自信を持って日々頑張りたいと思います。
刀禰様、この度は貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。
株式会社 ボンズシップ | 2025.05.08 16:57